消費税は原則、日本国内で事業者が事業として行うすべての取引に課税されます。
モノやサービスの消費に負担を求める税金で、消費税がかかる取引を課税取引といいます。
しかし、事業者が事業として行う取引でも、消費税がかからない取引もあります。
例えば、病気で病院に行った時は社会的政策的な配慮から消費税がかかりませんし、土地の譲渡や貸付については、消費に対して負担を求める消費税の性格になじまないことから消費税がかかりません。
このような消費税のかからない取引を非課税取引といいます。
消費全般に広く負担を求める消費税の性格上、非課税取引は極めて限定されています。
以下の項目が非課税取引となります。
① 土地の譲渡及び貸付け、住宅の貸付け
※詳しくは前回のコラム「家賃は消費税がかからない!?」を参照
② 支払手段などの譲渡
支払手段とは支払うための手段のことで、銀行券や硬貨などのお金のことです。
平成29年7月1日以降はビットコインなどの仮想通貨に関しましても、通貨と認められ非課税取引となりました。
ただし、収集品や販売用のものは非課税取引となりません。
~銀行券、硬貨の両替~
非課税取引
~記念硬貨~
課税取引
③ 利子を対価とする貸付金など
借入金の利息や預金の利息などが含まれます。
④ 郵便切手類等の譲渡
郵便切手類等には切手や葉書、印紙が含まれますが、これらの販売が非課税取引となるのは、「郵便局」や「印紙売りさばき所」等での販売に限られます。
~郵便局にて印紙の購入~
非課税取引
~チケットショップにて印紙の購入~
課税取引
⑤ 物品切手等の譲渡
物品切手等には商品券、プリペイドカードが含まれます。
商品券の購入時に消費税がかかり、さらにその商品券を使用して商品を購入するときにも消費税がかかるのはおかしいですよね。
~商品券の購入~
非課税取引
~商品券を使用~
課税取引
⑥ 国等が行う役務の提供
住民票や登記簿謄本の交付などが含まれます。
⑦ 外国為替取引など
外貨の両替手数料や海外送金手数料などが含まれます。
⑧社会保険医療の給付等
病院に支払う費用が非課税取引ということではなく、健康保険法等に基づく診療などが非課税取引となります。
病院へ支払う費用でも健康診断費用や、患者の希望によって特別な役務の提供を行った場合は非課税取引となりません。
~人間ドッグ費用~
課税取引
~差額ベッド料~
課税取引
⑨介護保険サービスなど
介護保険法の規定に基づく居宅介護サービスや施設介護サービスなどは非課税取引です。
また、介護施設サービスでの日常生活費(食費や理美容代)も非課税取引となりますが、自己選定による特別な食事や居室費は非課税取引となりません。
~介護福祉施設サービス(日常生活費)~
非課税取引
~介護福祉施設サービス(自己選定による特別な食事)~
課税取引
⑩助産
医療施設の医師等による助産に係る検査や入院は非課税取引となります。
また、⑧や⑨とは違い差額ベッド料や特別な食事についても非課税取引となります。
~妊娠中、出産後の入院(差額ベッド料)~
非課税取引
⑪火葬料、埋葬料
墓地、埋葬等に関する法律に規定する火葬料、埋葬料は非課税取引となります。
~葬儀屋等に支払う葬儀費用~
課税取引
⑫身体障害者用物品の譲渡や貸付け
身体障害者物品には義肢や車イスなどが含まれます。
⑬学校教育関係
幼稚園から大学、専門学校における授業料等、学校教育法に規定する教科用図書は非課税取引となります。
~学生塾の授業料~
課税取引
~市販の問題集~
課税取引
以前コラムで、消費税の売上が1,000万円を超えたら消費税の課税事業者になるとお伝えしましたが、その売上には非課税取引の売上は含まれません!
課税取引と非課税取引の判定を間違えてしまうと、税額だけでなく、消費税の申告が必要かどうかも変わってきます。
税金のことは伏間洋税理士事務所におまかせください!!
最後まで閲覧いただきましてありがとうございました。
今年のコラムは今日が最後になりますが、来年2019年も毎週掲載いたしますので、よろしくお願いします!!
税理士 伏間 洋
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